「サンダーバード」というモデル名は、1949年登場の6Tサンダーバード(650ccツイン)、1995年発売の885ccトリプルエンジン搭載のクラシックネイキッド、2009年からの大排気量2気筒クルーザーの3回にわたって使用されてきた伝統のネーミングだった。95年からのサンダーバードは、トライアンフがヒンクレーに復活してから初めてのクラシックスタイルのモデルで、70psを発揮する水冷3気筒エンジンから伸びるマフラーは「ピーシューター」形状だった。このスポーツモデルが生産されたのは2000年代前半までで、わずか数年を経た2009年に、まったく違うキャラクターで「サンダーバード」が復活。3気筒時代から2倍近い排気量を持つ、1,597cc水冷並列2気筒エンジンを、バックボーンフレームに搭載するアメリカンクルーザーだった。アメリカンらしい鼓動感を得るために、270度位相クランクを採用。トライアンフとしてはじめて、ベルトドライブを採用した。大排気量アメリカンとしてのサンダーバードは、サンダーバードストーム(2012年)やサンダーバードLT/コマンダー(2014年)といった派生モデルを誕生させた。