2011年モデルから販売されていたタイガー800(及びタイガー800XC)が、2015年モデルでフルモデルチェンジを行い登場したのが、タイガー800XR(及びタイガー800XC)だった。タイガー800XRは、キャストホイールにオンロード寄りのタイヤを履いた、汎用性の高いアドベンチャー仕様(XCはスポークホイールでオフロード寄り)で、それまでのタイガー800(無印)の方の、後継モデルという位置付けだった(XRは、クロス・ロードの意)。2015年登場の新型タイガーシリーズの特徴は、車体の電子制御が一挙に進められたこと。スロットル開度を電気信号で伝達するライドバイワイヤ、トラクションコントロールが搭載された。また、クルーズコントロールなどを備えた上級仕様として「タイガー800XRx」が設定され、その後、装備を追加した最上級グレードとしてタイガー800XRTも登場した。2018年モデルで再びモデルチェンジを受け、タイガー800XR/XRx/XRTの3グレード展開は変わらず、XRxとXRTが上級グレードであることもこれまで通りで、XRxとXRTにはTFTカラー液晶のディスプレイが採用された。XRTは、灯火類がフルLEDとなり、これまで通りグリップ/シートヒーターといった快適装備も標準搭載された。なお、800ccの水冷3気筒エンジンの最高出力は、70kW。これは、欧州のA2ライセンス所有者向けの35kW版を用意するための設定。ベースモデルが70kW以下である必要があった。