2010年に発売されたムルティストラーダ1200の上級仕様であるSタイプ(ムルティストラーダ1200S)は、同年から2通りのバリエーションモデルで展開された。すなわち、「ツーリングエディション」と「スポーツエディション」であった。スタンダードモデルに加えて、オーリンズ製の電子制御サスペンションを備え、ABS(アンチロックブレーキシステム)を標準装備したところは両車に共通する部分で、ツーリングエディションには両サイドのパニアケース、グリップヒーター、センタースタンドが装備された。2013年にムルティストラーダ1200がマイナーチェンジされたあと、「エディション」が取れて「1200Sツーリング」になり、ドゥカティ・スカイフック・サスペンション(DSS)と称されたセミアクティブサスが採用された。これは、路面状況に応じて減衰力を自動調整してくれるもの。ムルティストラーダ(マルチストリート)という名称に相応しい装置だった。マイナーチェンジ版は、2014年モデルまで設定された。