1993年3月に登場したTZR50Rは、90年から販売されていたTZR50の後継モデル。原付免許を持つヤングライダーをメインターゲットにした50ccの2ストレプリカだけに、前モデル時代から、発売は春先の2~3月で、新学期需要を待ちかねての設定だった。TZR50の進化型としてのTZR50Rは、レーサーであるYZ80用をベースにした1軸バランサー装備のクランクケースリードバルブエンジンを採用。エンジン始動はセルフスターター式となった。また、「この1台」で全てをまかなう若いユーザーのために、シングルシート(原付1種なので)の後方に、5.5リッター分のラゲッジスペースを備えていた。95年モデルでエンジン回りを中心にマイナーチェンジを受け、97年のカラー変更を最後に新車ラインナップから外れていった。2ストフルサイズスポーツとしての後継モデルは、98年登場のRZ50(2度目に登場したレトロ風RZ50)となるが、欧州向けには、フルカウル「TZR50」が残り続け、2016年モデルまで設定されていた。