CBR500Rは、471ccの並列2気筒エンジンとシャシーを共有する3モデル中のひとつとして、2013年に登場した。フルカウルスポーツのCBR500Rとともにシリーズ構成したのは、ネイキッドのCB500Fと、クロスオーバーアドベンチャーのCB500Xだった。エンジンの出力は、35kWに設定されており、これはEUの免許制度におけるA2ライセンス(※)保有者向けのモデルであることを示していた(※排気量ではなく、エンジン出力に35kWの上限がある)。登場時のカウルデザインは、同時代のCBR1000RRをイメージさせるもので、初めてのモデルチェンジを受けた2016年は、LEDヘッドライトを採用するとともに、やはり同時代のCBR1000RRを思わせるシャープなデザインとなった。2019年モデルで受けた2度目のモデルチェンジでも同様に、CBR1000RRとのリレーションを強調するデザインへと変更された。2021年モデルでユーロ5規制をクリアし、2022年モデルで倒立フォークやフロントブレーキのダブルディスク化された。2024年モデルで、同時代のCBR1000RR-Rのイメージを踏まえた(ウイングレットも備えた)デザインになった。なお、CBR500Rは、日本国内では「CBR400R」として販売された。CBR500Rが欧州の免許制度に対応したモデルであったのと同様に、日本の免許制度に適合させるため、エンジン内のピストンストロークを短くすることで、排気量は399ccに縮小されていた。