2019年の新型モデルとして登場したムルティストラーダ950Sは、2年前からラインナップされていたムルティストラーダ950の上級仕様車だった。Sバージョンとしての主な内容は、ドゥカティ・スカイフック・サスペンション(DSS)EVOを備えていたこと。セミアクティブサスペションであるDSSは、刻々と変化する路面の状況に対して、連続的に前後サスの減衰力を変化させることで、「まるで空に吊り下げられているような」感覚で、車体を路面に追従させるシステムだった。また、ムルティストラーダ950Sは、クラッチレバーの操作なしにシフトアップ/ダウンを可能としたドゥカティ・クイック・シフトやクルーズコントロールも標準搭載していた。他に、コーナリングライトやTFTカラー液晶のメーターパネルもSバージョンとしての装備だった。フロント19インチ、リア17インチのホイールには、キャストホイールと、オプションでスポークホイールとが用意されていた。※2022年モデルとして登場したムルティストラーダV2Sは、ムルティストラーダ950Sの後継車