バイアルスTL250は、1975年(昭和50年)1月に発売されたトライアルス専用モデルだった。「バイク」と「トライアルス」を掛け合わせたバイアルス銘のモデルとしては、バイクブロスTL125(1973年)に続くもので、TL125が公道走行も可能だったのに対し、TL250は、ヘッドライトもウンカーなどの保安部品も備えない競技専用車(MFJ 日本モーターサイクルスポーツ協会・公認)だった。排気量248ccの空冷4スト単気筒OHCエンジンをセミダブルクレードルフレームに搭載。深い水たまりをも走破することを考慮して、吸気口は高い位置に設置され、浸水・耐水性が高められていた。ミッションは5段リターン式で、1速から3速までは、クロスレシオのローギアードで、トライアルセクションを走るためのギア、4速と5速は、セクション間の移動のための巡航ギアという割り切り設定がなされていた。競技専用モデルとして、軽量化も図られ、クランクケースはマグネシウム合金、燃料タンクはアルミ製、前後のフェンダーはポリプロピレン。車両重量は、250ccモデルとしては異例の99kgに抑えられていた。