TLM220Rは、1988年3月に新発売された2ストエンジン搭載のトライアルバイクだった。前身モデルはTLM200Rで、193ccだったエンジンの排気量を、216ccまで拡大するとともに、装備や機能を充実。クラッチ容量を増すことで、操作荷重を軽減するとともに、より微妙な操作もできるようになった。また、フライホイールを大きくすることなどで、粘り強い出力特性を得ていた。装備面では、フロントブレーキが油圧ディスク式になったことが大きなトピック。市販トライアルバイクとしては国内初採用だった。レーキホースも膨張しにくい高耐圧性の硬質ナイロン樹脂ホースを採用しており、専用の対向ピストンキャリパーやマスターシリンダーとあいまってダイレクトなブレーキ操作感を実現していた。軽量スリムなボディによって、本格的なトライアル競技はもとより、市街地走行から不整地走行まで幅広い用途で楽しめたTLM220Rは、登場後、3回のカラーチェンジを受けながら、1993年モデルまで設定された。ホンダ製の公道走行可能なトライアルバイクとしては、最後のモデルとなった。