ボクサー・エンジンに取って代わる次世代エンジンとして開発された水冷並列エンジンは、排ガス・騒音対策、軽量化、簡素化という条件を踏まえた設計となっており、低重心化のためシリンダを水平に寝かせ、クランクシャフト軸を進行方向に置き、同軸方向に動力を伝達することでドライブシャフトへ最も効率よく動力を伝達する。この革新的なエンジンユニットも、既存のBMWイメージを持つモーターサイクル・ファンにとっては容認し難く、当時は全くと言っていいほど評価を得ることはなかった。しかし全てが新しいKシリーズのテクノロジーは後のモーターサイクルに活かされ、今では当たり前の装備も、遡ればこのモデルが市販車として最初に装備されたというものが多い。