2016年に、V9ボバーとともにイタリア本国にデビューし、少し遅れて日本国内にも投入されたのが、V9ローマー(ロアマー)だった。853ccの空冷90°VツインOHV2バルブエンジンを、ダブルクレードルフレームに縦置きして、シャフトドライブを採用するところなどは、V9シリーズ共通。V9ボバーとは異なり、フロントには19インチホイールを採用し、ライディングポジションもアップライトで、シートもロングタイプ。つまり、クルーザー寄りの性格が与えられていた。そのことは、モデル名からも明らか。「Roam」は、歩き回るという意味で、「Roamer」には「世界中を旅する」という含意があった。ミッションは6速で、ブレーキは前後ともディスク式。ABS(アンチロックブレーキシステム)、トラクションコントロール(2段階切り替え及びOFFも可能)を装備していた。2021年モデルで欧州排ガス規制のユーロ5に適合するとともにマイナーチェンジを受け、新しいシートの採用などの仕様変更も受けた。