1996年に登場したBMWのF650STは、F650ファンデューロ(1993年)の派生モデルだった。位置づけとしては、ファンデューロをベースに、オンロード(ストリート)走行を重視した仕様へと変更したもので、フロントホイールサイズを、ベースモデルの19インチから18インチに小径化。このことによって、市街地での小回り性能は向上。ハンドルの幅が短くなり、シート高も低くなっていたのも、ストリート走行最適化のための仕様変更だった。排気量652ccの水冷4スト単気筒DOHCエンジンは、ファンデューロゆずり。ミッションは5段リターン式、前後シングルディスクブレーキを採用していた。1999年モデルまで設定された。単気筒F650シリーズのオンロード寄りモデルとしては、2002年にF650CSスカーバーが登場。スカーバーは、前後17インチのホイールを採用するようになった。なお、車名の「ST」は「ストラーダ」のこと。英語ではストリートなので、車名が性格を表すネーミングだった。