1982年4月に発売されたCXユーロは、その名の通り、「ヨーロッパタイプのツーリングスポーツ車」として登場した。上体を起こし、乗馬のようなプルバックスタイルで乗るバイクを「アメリカン」と呼びはじめたのに対してのヨーロピアンであった。わざわざ「ヨーロッパ」を意味するCXユーロが登場したならば、CXアメリカン(?)も存在していたはずで、およそ1年後には、CXカスタム(当時、ホンダはアメリカンスタイルを「カスタム」で表現していた)が登場した。搭載するエンジンは、排気量396ccの水冷4ストV型2気筒OHV4バルブエンジンで、これを縦置きとし、シャフトドライブが組み合わされていた。この構成からは、CXユーロ(及びCXカスタム)が、ウイングGL400(GL400カスタム)の後継モデルにあたることがうかがえた。「CX」を名乗るモデルには、CX500ターボ(1981年)やCX650ターボ(1983年)も存在。ともに過給機(ターボチャージャー)を組み合わせたスポーツモデルながら、輸出専用車だった。