XT600Zテネレは、1988年に発売されたビッグオフローダー。595ccの空冷4スト単気筒SOHC4バルブエンジンを搭載し、XT600テネレ(1983年-)の後継モデルにあたる、パリダカールラリー参戦をイメージしたマシンだった。とはいえ、当のパリダカは高速レース化が進み、ヤマハも2気筒エンジンへと軸を移さざるをえない時期でもあったため、パリダカ参戦マシンの印象は、翌89年登場の2気筒エンジン車、XTZ750スーパーテネレに色濃くなっていった。とはいえ、XT600Zテレネの特徴でもあるハーフフェアリングとウインドスクリーンの装備は、以降の「テネレ」名モデル共通の仕様となっていった(2019年登場のテネレ700まで)。XT600テネレとの違いは、ハーフフェアリングの有無だけではない。後輪にもディスクブレーキを採用した。燃料タンク容量は、23リッターになった。1990年にグラフィック変更を受けたのち、91年には、659ccの水冷単気筒SOHC5バルブエンジンを搭載するXTZ660テネレへとバトンタッチした。