XR50モタードは、2005年2月に発売されたスーパーモタード・スタイルの原付1種モデルだった。前後ホイールには12インチが採用され、フルサイズの17インチに比べれば小径で、排気量も小さく、車体サイズもコンパクト。それは、「XR」というホンダのオフロードバイクに通じる名称こそ持つものの、先行したエイプ50(2001年~)と、エンジンやフレーム、ミッションなどを共にするモデルだったから。つまり、「エイプをベースにしたXRルック仕様車=XR50モタード」というほうが、実態に近かった。もちろん、異なるのは外装部品だけというわけではなく、エイプではドラム式(リーディングトレーリング)だった前後ブレーキは、油圧ディスク式となり、スイングアームはエイプよりも40ミリ長く、それらがオフロード(モタード)らしいスタイルを構成する要素になっていた。ミッションは、5段リターン式、エンジン始動はキック式のみ。なお、XR50モタードの登場と同時に、原付2種のXR100モタードもデビュー。こちらはエイプ100(2002年~)がベースになっていた。XR50モタードは、一度だけカラーチェンジを受けたのち、2007年モデルでラインナップから外れた。原付1種を対象にした平成18年排出ガス規制によるものだった。なお、原付2種の規制は翌年で、XR100モタードのほうが1年長くラインナップされていた。