2016年のケルンショー(インターモト)で発表された「スーパースポーツ」は、937ccの水冷V型2気筒エンジン搭載のスポーツモデル。2017年モデルとして新発売された。同時代の959パニガーレなどのスーパーバイクがサーキット性能を突き詰めていたのに対し、スーパースポーツは一般公道でのスポーツライディングを楽しむためのモデル。かつてドゥカティはスーパースポーツ・シリーズとしてSS1000などをラインナップしていたが、2006年を最後にラインナップから外れていたので、約10年ぶりに、スーパーバイクではない「普段乗り」でも快適な、フルカウルのスーパースポーツを復活させたことになった。前述したとおり、排気量は937ccで、コンパクトなシリンダーヘッドを意味するテスタストレッタ11°のエンジンは、前年(2016年)登場のハイパーモタード939用をベースにしたもの。出力特性として、わずか3,000回転/分時に、最大トルク(96.7Nm)の約80%を発生し、9,000回転/分時でも、同じく約90%を維持するというフラットトルク設定になっていた。トラクションコントロール、ABSを搭載し、ライディングモードは3種(スポーツ/アーバン/ツーリング)から選択可能。USBポートも備えていた。2021年モデルでモデルチェンジを受け、欧州の環境規制ユーロ5に準拠するとともに、モデル名称が「スーパースポーツ950」に変更された。フェアリングのデザインは、同時代のパニガーレV4をイメージさせるものに一新され、アンダーカウルも後方まで覆うかたちになった。電子制御系も更新され、クイックシフターやコーナリングABSを採用した。メーターパネルはフルカラー化された。