CBR250RRという名称のモデルは、1990年と2017年に、2度登場している。1990年のCBR250RR(MC22)は、4ストレーサーレプリカのCBR250R(MC19)の進化版として登場し、1994年モデルまで販売されていた丸目2灯ヘッドライト仕様車。カムシャフトをギアで駆動する「カムギアトレーン式」を採用した高回転型4気筒エンジンを搭載するスーパースポーツだった。それから20数年後の2017年に発売された同名モデルのCBR250RR(MC51)も、先行したCBR250R(MC41)を受けて登場したことは同じながら、MC41が単気筒エンジンだったのに対し、MC51は新設計の並列2気筒エンジンを搭載するなど、今回の両車(RとRR)は全く異なるモデルであった。CBR250RR(MC51)は、アクセル操作を電気信号で伝達する「スロットルバイワイヤ」を採用し、エンジン出力特性は3種類から任意に選択可能だった。フロントフォークは倒立式。同時にABS搭載モデルも設定され、2018年以降はABS搭載モデルを中心に展開された。2020年7月にマイナーチェンジを受け、2気筒エンジンに新形状のピストンを採用し、圧縮比を高めるとともに、出力とトルクの向上を図った。アシスト&スリッパークラッチも標準装備した。また、このマイナーチェンジを機に、ABS搭載モデルのみがラインナップされることになった。2023年にも仕様変更があり、カウル形状の小変更や、Hondaセレクタブルトルクコントロール(トラクションコントロール)の装備、ハザードランプの採用などを受けた。また、同時に平成32年(令和2年)排ガス規制に適合した。