2008年のインターモト(ドイツ・ケルン)で発表された、横置き直列エンジンのKシリーズの進化モデル、それがK1300・シリーズだった。K1300GTは、その名称の通り、グランド・ツアラーモデル。K1200GTの後継モデルとしてのラインナップだった。搭載した排気量1,292.7ccの水冷直列4気筒DOHCエンジンの出力は、スポーツモデルのK1300S(175ps)やK1300R(173ps)よりも控えめな160psだったが、最高出力と最大トルクを発揮するエンジン回転数は、スポーツモデルの2車よりも低く抑えられ、扱いやすさ重視ということが見て取れた。但し、比較すれば控えめながら、160psと135Nmが大パワー/トルクであることには変わりなく、加減速時に発生するトラクション・ショックを2段階で吸収する新しいシャフトドライブシステムが採用されるなど、車両の安定性、運転しやすさの重視方向は、前モデルまでと変わっていなかった。名前通りの「長距離ツーリング仕様」であるK1300GTは、標準装備されたパニアケースや電動スクリーンのほか、さまざまなオプション品によって快適性能をアップさせることが可能。なお、BMWのKシリーズは、1300(4気筒)のあと1600(6気筒)に移行。K1600・シリーズは、ツアラー路線のみとなったが、K1600GT/GTLの「こしらえ」は、K1300GTというよりも、K1200LT(ラグジュアリーツアラー)に近いものだった。