GPZ1100には、1980年代の空冷エンジンモデルと90年代の水冷モデルが存在した。1983年のGPZ1100は、Z1100GPの後継モデルだった。1995年に登場した水冷GPZ1100は、ダウンチューブを2本としたスチール製ダブルクレードルフレームに、ZZR1100系のDOHC4バルブエンジンを流用し、吸排気系をリファインしたものを搭載していた。ラムエアシステムは装備されていないが、ベースがZZR1100だけに、パワフルさは健在。極低回転からでもスムーズに吹け上がる特性で、街中の渋滞路から高速クルージングまで、全域にわたってコントロールしやすかった。カワサキ歴代のビッグツアラーで培ったウインドプロテクション効果は絶大で、ゆったりした乗車姿勢などによって、長距離ツーリング時の疲労を大幅に低減していた。96年モデルからは、ABS(アンチロックブレーキシステム)を装備したGPZ1100ABSも登場。1997年には同系のエンジンを搭載したZRX1100も登場し、GPZ900Rから発展してきた左サイドカムチェーンエンジンの1,052ccモデルは、GPZ1100、ZZR1100、ZRX1100が併存する形となった。