スズキ・エポは、1979年に登場した原付1種のレジャーバイク。8インチの小径ホイールを履いたミニマムサイズながら、座り心地のよさそうな厚手のシート、アップマウントされたマフラーなどによる全体のスタイルや雰囲気は、同時代のホンダ・モンキー(50cc)と共通しているところが大いにあった。とはいえ、4ストエンジンだったモンキーに対し、エポは、RG50系の空冷2ストロークエンジンを搭載。ミッションは、3速だったモンキー(当時)よりも多段の5段リターン式だった。1981年には、マットブラックの車体にゴールドホイールの「LTD」が設定された。このLTDモデルには、ヘッドライトガードや小型のタコメーターも装備された。このあとしばらくして、エポはスズキの新車ラインナップから外れたが、1993年3月になって、「PV50」として復刻生産された。1995年には、スズキの75周年を記念したクロームメッキタンクのモデルも設定された。この年は、織物機械の鈴木式織機株式会社が法人として設立された1920年(大正9年)から75年だった。なお、「エポ」というモデル名は「エポックメーキング」から。エポック(epoch)=画期的な新時代をひらくモデルと期待されてのことだった。