排気量399ccの水冷4ストV型4気筒エンジンを搭載したロードスポーツモデルとして、1982年12月に発売されたのが、VF400Fだった。このエンジンのVバンク角は直角の90°で、これはエンジンの一次振動が理論上0(ゼロ)になることから採用されたレイアウトだった。一次振動をなくすことで、バランサーの搭載が不要となり、スリムで軽く、コンパクトなエンジンにすることができるとされた。このV4エンジンをダブルクレードルフレームに収め、ビキニカウル風のメーターバイザーを装着。そして6速ミッションを組み合わせた。前後のブレーキは、80年代前半のホンダスポーツモデルが複数採用していたインボード式のディスクブレーキだった。ほぼ同じタイミングで750ccモデルのVF750Fが登場。VF400Fとしては、ほぼ1年後の84年1月にフルフェアリングを装備したVF400Fインテグラを派生させ、その後、VFR400R(1986年~)、RVF(94年~)まで、400ccV4エンジン搭載車の歴史を紡いでいった。