グロム(GROM)は、コンパクトで扱いやすい車体サイズに、大型スポーツモデルを彷彿させる本格的な装備を持つ原付2種スポーツとして、2013年6月に発売された。先に生産国のタイで発売され(2013年1月)、その人気ぶりが日本にも伝わっていたタイミングだったこともあって、国内導入後、一躍人気モデルとなった。エンジンは現地のカブ系モデルでも定評のあった横型125cc空冷4ストエンジンを搭載し、4速マニュアルミッション、前後ディスクブレーキ、倒立フォーク、ワイドサイズの12インチホイールが組み合わされていた。2016年には外装系を一新し、スクエアを基調としたデザインとなるが、基本構成は不変のまま。2018年モデルで、日本の平成28年排出ガス規制に適合し、型式が初期モデル以来のEBJ-JC61から、2BJ-JC75になった。見た目の変更と型式の変更が同じタイミングではないので、注意が必要。2020年10月21日、欧州向けの2021年モデルとして、新しいグロムが発表された。スタイリングを一新し、エンジンはロングストローク傾向を強め、ミッションは5速マニュアルに変更された。フロントABSも装備。翌2021年3月からは日本市場でも発売された(2BJ-JC92)。2023年6月には、平成32年(令和2年)排出ガス規制をクリアした。2024年3月には、タンクシュラウドやサイドカバーなどの外装パーツを変更するマイナーチェンジを受けた。※車名のGROM(グロム)は、GROMMETという英語を短縮したもの。GROMMETには、もとの意味から外れて、俗語として、サーフィンやスケートボードなどの横乗り系スポーツフリークを指すことがある。若者たちの遊び道具、ファッションの一部に、との意図が込められたものだ。生産国のタイや欧州では「MSX125」という名称で販売された。