250ccスクーターがビッグスクーターと呼ばれるようになり、若いライダーを中心に人気が高まっていた2000年の春に登場したのが、フォルツァだった。愛好者の間で「MF06」型と呼ばれる初期型フォルツァは、前年秋の東京モーターショーに参考出品され、市販が待たれていた。イタリア語で力強さなどを表す「FORZA」がモデル名に与えられたように、特徴的な2眼ヘッドライト、シャープで躍動感のあるフォルムが特徴的。また、ホンダの250ccスクーターとしては、先行したフォーサイトやフュージョンよりも大きな13インチホイールがフロントに与えられ、走行時の安定性も向上していた。フォルツァ・シリーズは、ここから先、さまざまなバリエーションが登場しながら、大きなモデルファミリーを構築していく。MF06系としては、ABSを装備した「フォルツァS」やカスタム仕様の「タイプX」などが設定されながら、2004年4月のフルモデルチェンジで型式をMF08に改めるとともに、フォルツァZとフォルツァXの2系統で進化を続けた。その後、フォルツァSi(2013年)を経て、2018年7月にふたたび「フォルツァ」のモデル名を持つ250ccスクーターが登場。これは、同年3月から欧州で販売されていたフォルツァ300の日本向けモデルであり、セレクタブルトルクコントロール(HSTC)や電動スクリーン、スマートキーなどの装備・機構は共通のものだった。そして、2021年には再びモデルチェンジ。環境性能の高い新エンジン(eSP+)を採用し、フレームも一部変更。電源ソケットは、2021年当時に主流となりつつあったUSBタイプCを採用した。2022年12月発売モデルで、平成32年(令和2年)排ガス規制をクリアするとともに、ヘッドライトとテールランプのデザインが変更された。また、メーターの液晶部分が大きくなった。