ニンジャ1000SXは、2020年の新型モデルとして、EICMA2019(ミラノショー)で発表された。2011年に初代モデルが登場し(海外専用)、2017年からは日本国内でも販売されていたニンジャ1000の4世代目にあたるが、モデル名に「SX」が付けられらため、別モデルとして項を分けた。外観上は、2017年にモデルチェンジした後のニンジャ1000と同じような逆スラントしたノーズデザインが与えられており、よく似ているように見えるが、実際は一新されたもの。細部を見れば異なっていたのは明らかで、ニンジャ1000では一貫して左右出しだったマフラーは、コンベンショナルな右側1本スタイルに変更されてもいた。搭載するエンジンは、ニンジャ1000から引き続き、1,043ccの水冷直列4気筒だったが、ニンジャ1000SXでは、1番と4番の吸気ファンネル(4気筒のうちの両端2気筒)が、2番と3番よりも45ミリ短くなるなどの変更があった(環境規制への対応)。他に、シートの形状が、よりツアラー向きに変更されるとともに、工具なしで高さ調整可能なウインドスクリーンやクルーズコントロール、クラッチレバー操作のいらないクイックシフターなども装備されて、ロングツアラーとしての性格が、これまで以上に明確になっていた。灯火類は全てLED化され、メーターは4.3インチTFTカラー液晶。OEMタイヤはブリヂストンのバトラックス・ハイパースポーツS22を採用した。日本市場では、2020年4月に発売された。その後、2022年7月発売の2023年モデルで、日本国内の令和2年排出ガス規制に適合し、型式の排ガス記号に変更はあったが、車体の機能や性能に変更はなかった。