アメリカ合衆国コロラド州で行われる「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」。このタイムトライアルレースの2010年大会において、ムルティストラーダ1200Sは、二輪部門で圧倒的な勝利を収めた。それを記念して、2012年モデルのラインナップに加えられたのが、ムルティストラーダ1200Sパイクスピーク・スペシャルエディションだった。ベースとなったのは、テルミニョーニ製カーボンスリップオンサイレンサーとショートスクリーンが装備され、パッセンジャー・フットペグハンガーとエンジンガードは、ブラック仕上げのアノダイズド処理(アルマイト処理)されたものになっていた。2012年モデルのパイクスピーク・スペシャルエディションは、赤×白×黒のドゥカティコルセカラーを採用。2013年からは赤白のコルセカラーになり、モデル名はムルティストラーダ1200Sパイクスピークになった。この際、テスタストレッタ11°エンジンはデュアルスパーク(DS)になり、セミアクティブサスのドゥカティ・スカイフック・サスペンション(DSS)を採用した。2014年まで生産され、ムルティストラーダ1200のモデルチェンジ(2015年)によって一時途絶えたが、2016年から新型のムルティストラーダ1200Sをベースに、ムルティストラーダ1200パイクスピーク(「S」が付かない)として再来した。