MVアグスタにおける「RC」ラインは、同社の「Reparto Corse」(Reparto:部門/Corse:レースの)を意味する頭文字。すなわち、レーシング部門の息がかかったモデルラインということになっていた。ドラッグスター800は、その名称の通り、ドラッグレース(※)に適したスタイルを持つモデルであり、そのRCラインとして2019年に登場したドラッグスター800RCは、ベースモデル(ドラッグスター800)のキャラクターを、いっそう際立たせたモデルだった。前後のホイールは、スポークタイプではなく、軽量なアルミ鍛造で、SC-Project製のスリップオンサイレンサー、専用ECU(エンジンコントロールユニット)などが付属していた。排気量798ccの水冷4スト直列3気筒DOHC4バルブエンジンを搭載し、クイックシフターやトラクションコントロール、ABSなどを備えていた。なお、2018年までは、「ブルターレ800ドラッグスターRC」としてラインナップされていた。※ドラッグレースとは、主に米国で人気のある「直線路レース」のこと。発進からゴールまでのタイムを競う。Dragは、「引っ張る」という意味で、まるで何かに引っ張られているかのようにマシンが加速するさまを表した。