ドゥカティ・デザートXは、2022年の新型モデルとして登場した、大排気量オフロードモデル。搭載するエンジンは、テスタストレッタ11°と呼ばれた排気量937ccの90°V型2気筒エンジンで、同時代のムルティストラーダV2やストリートファイターV2と同系統のもの。ドゥカティは2000年代はじめから、さまざまなカテゴリーのモデルを市場投入してきたが、デザートXによって、本格的なオフロードモデルへの進出を図ったことになった。最大のポイントは、デザートXが採用したフロント21インチ、リア18インチサイズのワイヤースポークホイール。オフロードバイクの標準サイズであり、ドゥカティとしては初採用。サスペンションは、フロントホイールトラベル230ミリ、リアトラベル220ミリで、最低地上高も250ミリ(シート高は875ミリ)と、これもまたオフロードバイクらしい数値。6速ミッションは、1速と2速のギア比がロードバイクよりも低く、反対に6速はクルージング用として高く設定されれていたのも特徴。燃料タンク容量は21リットルで、オプション装備としてリアに装着する補助タンク(8リットル)の設定もあり、メーターパネルからの操作で切り替えが可能だった。6軸IMU(慣性測定ユニット)を中心とした電子制御技術は、同時代のドゥカティらしくフル装備で、6種類のライディングモードには、オフロード走行に特化した設定(エンデューロ/ラリー)も導入されていた。