ムルティストラーダV4パイクスピークは、2022年の新型モデル。前年に登場したムルティストラーダV4・シリーズの4機種目で、もっともスポーティなバリエーションだった。モデル名称は、米国コロラド州で行われるヒルクライムレースに由来するもの。先行したムルティストラーダV4/S/Sスポーツと比較しての大きな違いは、フロントホイールのサイズ。先行3モデルは19インチながら、ムルティストラーダV4パイクスピークは17インチ。前後とも17インチでロードタイヤを採用するところは、スーパースポーツ系モデルと同じ構成。実際、オーリンズ製の電子制御サス(Smart EC2.0)はパニガーレV4Sなどが採用する「イベントベース」モードを備え、排気量1,158ccのV4エンジンのモード設定にも「レース」が追加されていた。アクラポヴィッチ製のカーボン&チタンサイレンサーを標準装備。前方と後方にレーダーを備え、アダプティブクルーズコントロールとブラインド・スポット検知(BSD)も標準搭載していた。