2018年10月に開催されたインターモト(ドイツ・ケルン)において、2019年の新型モデルとして発表されたのが、KATANA(カタナ)だった。その名称からも、ボディデザインからも、かつてのGSX1100S KATANA(カタナ1100)を21世紀に蘇らせたモデルとしてのアイデンティティを与えられていたことは明らかだった(GSX1100Sのファイナルエディションは20世紀最後の2000年に発売された)。搭載されたエンジンは、スーパースポーツのGSX-R1000(K5)用ユニットを、ストリート向けに最適化したもので、これはGSX-S1000(2016年-)と同じもの。その他にも、フレームの形状や3段階切り替えのトラクションコントロールなどから、この新型カタナは、GSX-S1000をベースにしたモデルであることが推測できた(ホイールベースも1,460ミリで同じ)。リアフェンダーは、スイングアームマウントになり、リアシート後端でスパッと切り落としたかのようなスタイルを実現していた。ヘッドライト含め灯火類はすべてLED、メーターはLCD液晶表示。燃料タンク容量は、12リッターとやや小さめ。同年11月のEICMA(イタリア・ミラノ)ではブラックカラーが発表された。日本での初お目見えは、2019年3月のモーターサイクルショー(大阪/東京)。そのころ、欧州では、同時発売される予定のアクセサリー(「サムライ・アクセサリーパック」として赤黒シートやスクリーン、デカールなど)も発表済みだった。2019年5月30日、KATANA(カタナ)は日本市場で発売された。2022年には仕様変更を受け、平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合するとともに、車体の電子制御が大幅にアップグレードされ、クイックシフターなどを新たに装備した。※カタナはサービスマニュアルなどではGSX-S1000Sとも表記された。80年代にラインナップされた1,000ccのカタナ(TTF-1用)は、GSX1000Sであったので、「-S」の有無が異なった。