アルティシアは、1991年8月に発売された400ccクラスのオフロード・トレールだった。車名は、フランス北東部のアルトア地方の人々を意味しており、発表当時のヤマハ販売店向け情報誌によれば、「大らかで自由奔放な彼らのライフスタイルからとったもの」とされていた。排気量399ccの空冷4スト単気筒OHCエンジンは、SRX400にも搭載されていた4バルブユニットで、潤滑方式はドライサンプ。フレームの一部をオイルタンクとして用いていた。始動はセルフスターター式で、ミッションは5段リターン式、ブレーキは前後ディスク式だった。60/55Wのハロゲンヘッドライトを採用し(昼間点灯)、ツーリングに便利なハザードランプ機能を備えていた。車格も排気量カテゴリーも異なるが、気負わずにオフロードトレッキングをこなすというところでは、セロー(225/250)に近い性格を与えられたモデルだった。とはいえ、ロングセラーとなったセローに対し、アルティシアは短命に終わったというところが違った。