2019年に発売されたインディアン・FTR1200シリーズは、2017年秋のEICMA(ミラノショー)に、ワンオフのカスタム車として展示された「スカウトFTR1200カスタム」が市販モデル化されたものだった。FTRとは、フラット・トラック・レーサーの頭文字をとったもので、インディアンは実際に2017年シーズンから、スカウトFTR750によって米国のフラットトラックレースに参戦し、初年度からタイトルを獲得する大きな成功を収めていた。つまり、スカウトFTR750のレーサーレプリカとして、FTR1200シリーズが登場することになったということだった。EICMA2017におけるスカウトFTR1200カスタムへの反響を受け、早くも2018年夏にはFTR1200の市販モデル化を発表。その年の10月にモデル詳細が公開されるとともに、インターモト(ケルンショー)に2019年の新型モデルとして出展された。市販モデルとしてのFTR1200シリーズには、ベーシックモデルとなるFTR1200及び、プレミアムモデルとなるFTR1200Sの2モデルがラインナップされた。燃料タンクは、シート下に配置されており、通常のタンク位置にあたる部分は(FTR1200の場合、Vバンクの真上)、エアクリーナーボックスになっていた。これは、レーサーのFTR750と同様。2022年モデル(2021年1月発表)でマイナーチェンジを受け、前後のホイールサイズが17インチに小径化されるとともに、前後サスのトラベル量を変更して、シート高が780ミリまで低くなった。※2022年モデルの日本市場への導入は未定(2021年1月時点)