VT250Fインテグラは、1983年6月に発売されたフル・フェアリング(カウル)装備のロードスポーツモデル。VT250Fのフルカウルモデル、という位置づけだが、83年6月登場時点では、VT250Fはビキニカウルが標準仕様だったので、VT250Fインテグラは、VT250Fとは大きく印象が異なるモデルだった。また、当時は、日本国内向けモデルへのカウル装備が認められてから日が浅く、ホンダも1982年から「車名+インテグラ」でカウル付きモデルをリリースしていた(CBX400Fインテグラなど)。その後、ベースモデルのVT250Fは、1984年にフルモデルチェンジを受け、ハーフカウル(アッパーカウル)を標準装備するようになり、その2代目モデルをベースにしたVT250Fインテグラが、特別仕様車「ウイングスペシャルエディション」として設定された。このあと、VT250シリーズにフルカウル仕様車は登場せず、VT250Fインテグラが唯一のモデルとなった。なお、なお、「インテグラ」という名称は、Integrate(英語:統合する/一体化する)由来の造語で、VT250Fインテグラの場合は、スポーツモデルとしての性能と、フェアリング効果による快適な走行が統合されたということでのネーミングだった。