NSR125Fは、1989年6月から日本で限定1,000台だけが販売されたスポーツバイク。製造はホンダのイタリア現地生産会社(ホンダ・イタリア・インダストリアーレ)で、ホンダイタリアからの輸入販売は、NS125R(1987年)に続くものだった。本来は欧州、主にイタリアやスペイン市場に向けて開発されたモデルで、カウルレスによるアルミダイキャスト(圧入鋳造)フレームがデザイン上のインパクトポイントになっていた。124ccの水冷2ストローク単気筒エンジンは新設計で、ボア54ミリ×ストローク54.5ミリのほぼスクエア型のボアストローク比だった。マルゾッキのフロントフォークやパガーニのライト類、ピレリのタイヤなど、イタリアのパーツが数多く採用されていた。そもそもカラーリングがイタリア国旗カラーで、この点はNS125Rと通じるところがあった。