CB400スーパーフォア(CB400SF)・バージョンRは、1995年3月にCB400SFが二度目のマイナーチェンジを受けた際に、新しいタイプとして追加設定されたモデルだった。外観上の違いは、ベースのCB400SFが丸目カウルレスのネイキッドスタイルであったのに対し、バージョンRは、ビキニカウル+角目ヘッドラウトであったこと。とはいえ、単純な外装違いの「R」ではなかった。バージョンRのエンジンは、基本こそCB4700SFと同じながら、理想的な点火タイミングを実現する電子制御点火装置(PGM-IG)を採用し、キャブレターや吸気エアファネンネル長の変更などのアップグレードが図られ、排気系には軽量なアルミサイレンサーが採用されていた。オーソドックスなCB400SFのダブルクレードルフレームに対しては、ダウンチューブにクロスパイプを追加するなどの強化が図られていた。同じ年の7月に車体色の追加を行ったのみで、バージョンRとしてのモデル進行はなく、バージョンRの要素は、CB400SFの進化のなかに収れんしていった。