2021年の新型モデルとして、2020年12月に発表された「モンスター」は、1993年以来のモンスターシリーズが、これまでのトレリスフレームにかえて、アルミ製のフロントフレーム(リアフレームはFRP)を採用し、名実ともに新しい世代へと移行するかたちで登場した。そのデビューと同時に設定されたのが、モンスター+(プラス)だった。その特徴は、モンスターに対して、小型のウインドスクリーンとリアシートカバーを加えた(プラスした)ことにあり、それは、2017年から3年間ラインナップされたモンスター797+と同じ「公式」に則ったものだった。搭載されたエンジンは、排気量937ccの水冷Vツイン「テスタストレッタ11°」で、同時代のムルティストラーダ950などに採用されていたものと同じ系統ながら、専用セッティングが施され、ユーロ5規制にも適合していた。フレームの変更などで、大幅な軽量化がなされていたことも特徴で、乾燥重量は166kgと、2020年までラインナップされたモンスター821の180.5kgと比較しても、その軽さは明らかだった。コーナリングタイプのABSとトラクションコントロールを採用し、クイックシフターも標準装備した。※この項では、これまでのモンスターシリーズとの区別を明確にするため、表示名に(937)を追加した