BMW・G650GSセルタオは、単気筒GSモデルとして復活したG650GS(2012年-)の派生モデルとして登場した。1993年登場のF650(ファンデューロ)以来の、排気量652cc水冷単気筒エンジン(ロータックス社と共同開発)していたG650GSをベースに、よりオフロード走行に適した車体構成を与えたのが、G650GSセルタオという位置づけだった。G650GSとの主な違いは、スポークホイール(キャストホイールよりも衝撃吸収性に優れる)を採用し、フロントホイールが、21インチサイズに拡大されていたことなど。エンジンガードやナックルガードも採用されていた。これらの仕様違いで、「よりオフロード向け」を設定するのは、同時代のF700GSとF800GSに近い関係。G650GSでは、数字を変えずに、セルタオ(南米大陸の奥地)というサブネームが与えられた。かつてのF650GS(2000年-)では、オフロード走行特化モデルに「ダカール」のネーミングが与えられていたが(パリ~ダカールラリーに由来)、今回はアフリカではなく、南米由来。G650GSセルタオが登場する数年前から、ダカールラリーの舞台は、南米に移っていた。