ハーフカウルを備えたスポーツモデルのバンディット1200Sは、ネイキッドスタイルのバンディット1200とともに、2000年3月に発売された。前身となったのは、GSF1200S(1996年)とGSF1200(95年)で、排気量1,156ccの油冷4スト直列4気筒エンジンを搭載するところと、ハーフカウル(S)とネイキッド(無印)の組み合わせでラインナップされるところが同じだった。そもそもレーサーベースのGSX-R750用に開発された油冷エンジンは、エンジンを軽く、コンパクトに設計できるところがメリットで、ストリートモデルに搭載されるようになっても、その美点を活かし、車体の扱いやすさも向上させるものだった。ネイキッドのバンディット1200との違いは、カウルの有無と、それに伴うヘッドライトタイプ。バンディット1200Sでは、2灯式のプロジェクターランプが採用されていた。また、シート下にはレインウェアが収納可能なほどのラゲッジスペースが用意されており、デジタル式の燃料計も備えるなど、ツーリングモデルとしての機能も充実。デビューから6年後の2006年3月にモデルチェンジを受けた矢先、9月には最終仕様車となる「油冷ファイナルエディション」が発売され、翌年登場のバンディット1250S(水冷エンジン)へとバトンをつないだ。