ドラッグスター800RRが登場したのは、2018年のことだったが、ブランニューモデルかといえば、そうではなかった。2015年に登場した、ブルターレ800ドラッグスターRRが前身で、そのフルモデルチェンジを経て、ブルターレの派生モデルというくびきを離れ「独立した」というのが正確なところ。また、MVアグスタのラインナップにおいて、「RR」の称号は、妥協なく、純粋で衝撃的な喜びを得られるモデルにのみ与えられるもの。F3やブルターレ800などに用いられた798ccの水冷並列3気筒DOHC4バルブエンジンは140HPを発生。ライドバイワイヤ採用により、エンジンモードは、ノーマル/スポーツ/レイン/カスタム(ユーザー設定)の4つから選択可能で、トラクションコントロールやクイックシフターが装備されることなどは、ブルターレ800ドラッグスターRRと同様だった。特徴的なワイヤースポークのホイールを採用しているところも、前身モデルゆずり。2020年モデルではSCS(スマートクラッチシステム)を採用したバリエーションが追加された(別項)。2021年には、ユーロ5に適合するモデルチェンジを受けた。エンジン内部ではコネクティングロッドなどを新設計し、排気系も変更された(出力もわずかに向上)。外観上は、フルLEDとなったヘッドライトやエキゾーストエンドのデザインが特徴。メーターパネルは5.5インチTFTとなり、クルーズコントロールとローンチコントロール機構も備えた。