2007年の新型モデルとして登場したタイガー1050は、ヒンクレー時代のトライアンフが1993年から展開していたアドベンチャーモデルとしてのタイガー・シリーズの三世代目モデルだった。名称が表す通り、排気量1,050ccの水冷3気筒エンジン(同時代のスピードトリプルなどと同系統)を新しいアルミ製ツインスパーフレームに搭載していた。この、タイガー1050が登場した際に注目を集めた最大のポイントは、前後ホイールが、オンロードスポーツと同じ17インチに変更され、オンロード向きでラジアル構造のタイヤを採用していたこと。従来のタイガーが、フロント19インチ(リアは17インチ)で、ブロックパターンのタイヤを履いていたことと比較すれば、(全体のフォルムこそ継承していたものの)路線変更は明らか。タイガー1050は、アップライトなライディングポジションながら、オンロードスポーツ並みの動力性能を持つマルチパーパス路線のモデルとして、2010年代前半までラインナップされた。なお、アドベンチャーモデルとしての「タイガー」は、タイガー800(2010年-)、タイガーエクスプローラー(2012年-)で復活。これら2機種の発表を受けて、タイガー1050のオンロード指向を強調したモデル、「タイガースポーツ」が2013年に登場した。