「ラッタッタ」のキャッチフレーズで親しまれた「ロードパル」は、それまでのバイクのイメージを覆す画期的なスタイルで、1976年2月に発売された。後年主流になる「原付スクーター」のさきがけともいえるもので、まるで自転車のようなフレームに、14インチの小径タイヤを組みあわせ、変速機構はなくギアチェンジもしなくてよかった。主なターゲットになったのは、主婦を中心とした女性ユーザーで、とにかく簡単に操作できることが重視されていた。エンジンは49ccの2スト単気筒で、その始動方法は珍しいかたち。キックペダルはなく、タップスターターを踏み込んで、リアブレーキを引けば、ゼンマイ開放されてスターターが動く、というものだった。翌年にはタップスターターを廃し(自動巻きにした)ロードパルLが登場し、79年には2速オートマのロードパルSが登場するなど進化していくが、女性用ファミリーバイクは、だんだんとステップスルー型のスクーターが主流になっていった。