ムルティストラーダV4は、2021年のニューモデルとして、2020年11月に発表された新世代ムルティストラーダ・シリーズだった。その名の通り、これまでのシリーズが一貫して搭載してきたL型2気筒ではなく、排気量1,158ccのV型4気筒エンジン(V4グランツーリスモ)を、アルミ製モノコックフレームに搭載していた。この新エンジンは、バルブ強制開閉のデスモドロミックではなくなり、信号停止などでのアイドリング時には、後方バンクの2気筒が休止するシステムを搭載していた。また、メンテナンスサイクルが長いことも特徴で、エンジンオイル交換は1.5万km、バルブクリアランス調整は6万kmごとに設定されていた。ボッシュ製慣性測定ユニット(IMU)を搭載し、コーナリングABSやトラクションコントロール、ウイリーコントロールを備えていた。メーターは5インチのカラー液晶で、ヘッドライトはフルLED。ヘッドライトには、パニガーレV4のような「目の上」のデイタイムランニングライドも含まれていた。※2020年11月5日時点で、日本市場への導入に関する発表はない(未発売)