CB350フォアは、1972年6月に登場した「このクラスの最高級車として、ゆきとどいた機能と外観をもつツーリングスポーツ車」(当時の広報資料より)だった。名称通りの4気筒モデルとしては、CB750フォア、CB500フォアに続くもの。排気量347ccの空冷4スト並列4気筒OHCエンジンは、中排気量モデルとしての軽快さを保つようにコンパクトサイズで、実際の場面で使うことが多いフラットなトルク特性を狙ったものだった。フロントブレーキはディスク式だが、CB350というくくりでは、前年(1971年)にCB350セニア(2気筒車)が採用済み。当時の広報資料によれば、「安全性の向上を計って大型化したランプ類」というねらいがあった。ハイビーム50W/ロービーム40Wが定格で、テールライトなども、大排気量車なみに大きかった。CB350フォアに続いたかたちで登場したのが、CB400フォア(1974年12月)だった。