BMW・G650GS(ジー650ジー・エス)は、2012年6月15日に日本での販売が開始されたアドベンチャーモデル。搭載した排気量652ccの水冷単気筒エンジンは、もともと、F650(1993年-)に用いられていたもの。ファン+エンデューロ=「ファンデューロ」という愛称でヒットしたF650が、その発展的後継モデルとしてF650GS(2000年-)を登場させたあとも、継続して搭載されていたが、F650GSが並列2気筒エンジン(798cc)にチェンジしてからは、単気筒のGSモデルは途絶えたままになっていた。G650GSは、長兄のR1200GS(当時)、F800GSとF650GS(2012年からはF700GS)で構成されたGSモデルの「末弟」として、かつての単気筒エンジンを搭載して復活を果たしたというかたちだった。位置づけとしては、エントリーモデルではあったが、650ccのビッグシングルエンジンが発生する豊かなトルクも、扱いやすい車体サイズも重量も、ラフロードでの「使いきれる性能」として、ビギナー以外にも支持される要素だった。なお、ホイールサイズは、フロント19インチ/リア17インチで、日本仕様にはローシートが標準採用されていた。マスの集中化、低重心化を図るため、燃料タンクはシート下で、取り回しが良いのも、かつての単気筒F650GSゆずりだった。派生モデルとして、よりオフロード走行に適したG650GSセルタオ(フロント212インチ)も設定されていた。