1999年3月に発売された、ドラッグスター1100(XVS1100)。96年に登場し、3年連続でベストセラーとなった400cc版ドラッグスターの上位モデルとして設定され、同一のデザインを採用していた。発表当時、すでに少子化傾向による二輪車販売台数の減少が問題視されていたが、こと大型モデルに関しては、1996年9月に行われた免許制度の改定により、運転免許の取得が教習所で可能になったことで、右肩あがりの市場環境だったことも、ドラッグスター1100が必要とされた要因だった。1,063ccの空冷Vツインエンジンは、ビラーゴ1100用をベースに、吸排気系を新設計したもので、ビラーゴ用では鋳造だったピストンも、軽量な鍛造となっていた。デザインがドラッグスター400同様なのは前述の通りで、リジッドのように見えるリアフレームまわりも、ハーレー風にいえば「ソフテイル」なのも、400ccゆずり。フロントブレーキは、大排気量のパワーと車重を受け止めるため、ダブルディスク式だった。登場後、2001年モデルと2005年モデルで小変更を受けたが、モデルチェンジすることなく、2008年モデルまで生産された。なお、モデル名は、XVS1100ドラッグスターと表記されることもあるため、バイクブロスでは併記した。モデル名としては、「DS11」(ディーエスイレブン)という表記もあったが、こちらは主に広告で用いられた通称名だった。