スクランブラー1200XE(及びスクランブラー1200XC)は、2018年10月に発表された。トライアンフには、2006年からスクランブラーを名乗るモデルがラインナップされ、2017年には水冷900ccエンジンのストリートスクランブラーへと進化していたが、それら先行したモダンスクランブラーとは異なり、スクランブラー1200XE(及びXC)には、よりオフロードバイクに近しいスタイルが与えられていた。もともと「スクランブラー」は、1960年代に、ロードモデルにアップマフラー(路面に当たらないように)とブロックタイヤを装備した、オフロードバイク登場までの過渡的な形態だったので、ロードスポーツでもない、オフロードトレールでもない、中間スタイルのスクランブラー1200XE(XC)は、「スクランブラー・スタイルの真の姿」と言うことができた。スクランブラー1200XEは、ベースモデルXCに対しての上級仕様車。水冷になったとはいえ、トライアンフ伝統のバーチカルツインエンジンやアップマウントされたマフラーは共通ながら、オフロード走破性を高めた足回りや電子制御機能は、XCよりも強化され、多機能化されていた。2021年モデルでは、欧州排出ガス規制ユーロ5に適合した。2024年モデルで、スクランブラー1200・シリーズの構成が、標準仕様のスクランブラー1200Xと、その上級仕様のスクランブラー1200XEに変更された。ブレーキやサスペンションのアップデート、エンジンの吸気排気のポート変更、ウインカーのLED化などの変更を受けた。技術的なアップデートではあったが、スクランブラー1200・シリーズ間での特性の違いをより明確にしたもので、スクランブラー1200XEには、更に悪路走破性を重視した性格が与えられていた。