デイトナ955iは、1999年に「新登場」したスーパースポーツモデル。カッコ付きで新登場としたのには理由があり、もともとは「T595デイトナ」という車名で販売されていたモデルが、改名することで生まれたニューモデルだったから。1997年に発売されたT595デイトナは、排気量955ccの水冷直列3気筒エンジンを搭載したフルフェアリング装備のリッタークラススーパースポーツ。しかしながら、「T595」が600ccクラスを意味するようで紛らわしいとの声があり、それならばと、実排気量数値が使われるようになったというのが、「新登場」の経緯だった。2001年にはフルモデルチェンジを受け、最高出力をこれまでの130psから149psにまでアップさせ、10kgものダイエットも敢行。さらに運動性能の向上を求めて、キャスター角を24°から22.8°に、トレール量を86mmから81mmに変更した。ここで、スイングアームは左右支持式になったが、2年後には再び片持ち式を採用。2004年にはカウルデザインの変更を受け、2006年モデルまでラインナップされた。スーパースポーツとしての「デイトナ」は、同年登場のデイトナ675(3気筒・675cc)に引き継がれた。