ハイパーモタード・シリーズに加わった、新しいミドルクラスモデル、それがハイパーモタード796だった。登場は2010年で、この年に1100シリーズも進化していることから(1100EVO)、ハイパーモタードは新しいフェイズに入ったことになった。ミドルクラスとはいえ、単なる小排気量モデルではなく、トレリスフレームは、ハイパーモタード796のために開発された専用設計品。排気量803ccの空冷Lツイン2バルブエンジンは、モンスター796にも使われた新開発のデスモデュエユニットだった。もちろん、全体的なフォルムは1100シリーズゆずりで、ハイパーモタードの一員であることは明らか。ハンドガードと一体化したバックミラー(折り畳み式)やセンターアップされたマフラー、倒立フォークなどのスタイルは継承されていた。但し、フロントフォーク径は43ミリで、1100シリーズよりも細めだった。2012年モデルまで設定されたのち、2013年からのハイパーモタード・シリーズは、821ccの水冷エンジン搭載モデルに一本化された。この時、ツーリング仕様のハイパーストラーダも登場した。