1995年秋のパリショーにおいて、1996年のニューモデルとして発表された中の1台に、YZF1000Rがあった。これまでのFZR1000に代わるヤマハ・スーパースポーツモデルの頂点と位置付けられており、直列4気筒DOHC5バルブのエンジンは、クランクケースこそFZR1000と共通ながら、ほぼ一新。ボアはわずかに拡大され、実排気量は1,002ccに拡大さえていた。フレームは、YZF750Rのディメンションを踏襲したアルミデルタボックス。ヨーロッパ郊外の一般道における走りの楽しさを求めたというYZF1000Rは、2年後に登場するYZF-R1の前身になった。それは、ツイスティロードでのエキサイトメントを求めた初期のYZF-R1のコンセプトが、YZF1000Rとほぼ同じだったことからも明らかだった。カウルにも記されたように、サンダーエースのペットネームで呼ばれた。※海外専用モデル