スプリントSTは、1993年登場のスプリントの後を継ぐかたちで、1998年に登場したスポーツツアラーだった(1999年モデル)。T595デイトナ由来の955cc水冷3気筒エンジンは、カムシャフトやインジェクションマッピングの変更で、ツアラー向きの特性が与えられていた。また、トライアンフとして初のアルミ製ツインスパーフレームを採用したのもスプリントSTだった。2005年にはフルモデルチェンジを受け、エンジンの排気量は同時代のスピードトリプルと同じ1,050ccとなった。ここでも、ツアラーらしい扱いやすさを求めて、最高出力などはスピードトリプルよりも控えめに設定されていた。このモデルチェンジでは、外観からも「3気筒」であることが主張され、3灯式のヘッドライト、3連メーター、センターアップの3本出しマフラーを採用していた。日本市場では、2007年モデル以降、パニアケースやABSなどを標準装備するようになった。スプリントSTの後継モデルは、2011年登場のスプリントGT。ST(スポーツツアラー)がGT(グランドツアラー)になったことで、よりツーリングユースに特化したモデルとなっていた。