1982年12月に、1983年の新型モデルとして発売されたのが、CBX650カスタムだった。1981年にはじまったCBXシリーズとしては、400F、400Fインテグラ、550Fインテグラに続く4モデル目であり、83年3月に発売されるCBX400カスタムに先立つ形での「カスタム」モデルだった。この時期も、ホンダはアメリカンスタイルの車両に「カスタム」という名称を使っており、CBX400カスタムも、ハンドルやシートなどがいかにもアメリカンだったが、このCBX650カスタムは、あまりそういった構成にはなっておらず、少しだけハンドル位置が高く、シート高が低いと感じさせる程度。排気量655ccの空冷4スト直列4気筒DOHCエンジンは新設計で、タペットクリアランスの調整が、油圧式のオートアジャスター機構によって行われるなど、整備性の向上が図られていた。フロントサスには、ブレーキトルクに応答するアンチノーズダイブ機構を搭載。前輪のダブルディスクブレーキのキャリパーはデュアルピストンタイプだった。