ホンダ・CTX1300は、2014年2月に発売された大排気量クルーザー。前年に登場していたCTX700及びCTX700Nの上位にあたる、CTXシリーズのフラッグシップモデルとしてのデビューだった。CTXシリーズのエクステリアは水平基調のデザインが特徴で、CTX1300もその範にならい、ロー&ロングのプロポーションを実現していた。水冷V型4気筒エンジンを「縦置き」する独特なレイアウトは、ST1100・パンヨーロピアン(1989年~)から受け継いだもので、1,261ccの排気量から豊かなトルクを生み出していた。なお、縦置きV型エンジンといえば、モトグッツィの専売特許のようなイメージがあるが、ホンダも70年代からGLシリーズやCXシリーズで取り組んでいた。閑話休題。CTX1300の開発コンセプトは、「快適技術の体感」。740ミリのシート高を実現した専用設計のフレームに、倒立タイプのフロントフォークと2本ショックのアルミスイングアームを採用。前後連動式のABS(コンバインドABS)を備え、パニアケースやブルートゥース対応のオーディオシステムを標準装備したうえで、2014年当時では珍しく、グリップヒーターとETC車載器もあらかじめ組み込まれて販売された。トラクションコントロールも搭載し、ヘッドライト含む灯火類はLED化され、USB端子も備えていたが、ミッションはマニュアル5段変速だった(シャフトドライブ)。